waisyou mousou
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「雨音」 雨が降る 闇の中にしっとりと なぜ世界は濡れ なぜ世界は凍えなければならないのか 涙さえ冷え切り 流せない夜にするためか 雨が降る 闇の中にしなやかに 誰かの吐息が凍る時 真っ黒な瞳に映るのは 懐かしい光の残骸か 真実さえ 水分の中で形を変えていくだろう 遺跡に漂う亡霊が見える 壊れ散った硝子片は映し取る 愛とは遺物 生霊のよう 体内に残した熱量も いつかは墓石のように固まり 空しく駆ける 真空の心室を 残響と転がり回る なぜ世界は濡れ なぜ世界は凍るのか 重たるい雲の向こうで 微笑む月は冷たく優しい その明るさにぞっとしながら 生きものたちは涙さえ流せない そんな夜が― そんな夜 昨日も明日も明後日も 幾日も降り止まぬ雨の足音 (新世界は今を壊すことで作られる ならば 流されていった過去の行き場は― 死者の悲鳴は記憶の底にも留まれないのか) 希望とはいつも恐ろしいもの 信じるに値するものはいつも 恐ろしいほど美しい 雨が降る 闇の中にひっそりと 落ちる足音 その後に残るのは 不毛の大地に生える ぬくもりも未だ得ない一本の産毛 ―とーやさん―
BBS
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リン
ク
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第san弾です。
また録音したものを載せてみました。
ちょいと適当です。
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第二弾を、
恥ずかしいので残しておきます。
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